
今日のテーマは、「料理教室の衛生管理で注意すべき3つのこと」です。
毎日の生活でかかせない食品を扱う料理教室では、絶対に注意しなければならないことの一つに衛生管理があります。
私たちの住む国、日本では主に食品の衛生管理を管轄している行政機関は地元の保健所になりますが、料理教室そのものに関しては特に許認可や開業資格は必要ないですね。
ちょっと不思議な感じがしますが、それだけに自分のことは自分できちんと管理することが重要なのは、言うまでもありません。
そこで、今回は意外に見落とされがちな衛生管理について、あなたが知っておかなければならないことをお伝えしていきましょう。
■衛生管理の基本は5Sから
あなたは、5Sを知っていますか?
5Sとは、食品だけに限らず、いろいろな工場やオフィスなどでも今や当たり前の考え方になっている衛生管理のための指標、考え方、手法のことになります。
5Sとは?
1.整理
2.整頓
3.清掃
4.清潔
5.躾
の項目の頭文字Sをとっています。
整理とは、いらないものといるものに分けること。
整頓とは、物を決められた場所に置いて、いつでも取り出せること。
清掃とは、常に掃除をすること。
清潔とは、整理、整頓、清掃の各状態を常に保っていること。
躾とは、決められたやり方、手順を守る習慣を身につけること。
(出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』より)
あなたも一度はこのことを聞いたことがあるのではないでしょうか?
では、あなたの教室はこれらのことがきちんとできていますか。
お料理が好きなあなたは、きっと大丈夫だと思いますが、レッスンで忙しかったりする時が要注意です。
人は誰しも、うっかりといったことがありますから、常に意識しておくことを心がけてくださいね。
また、同時にこの5Sの優れている点は、作業効率がよくなり、ちょっとしたミスを防ぐことができるということなのです。
いつも使うお皿がいつもの場所にあり、カトラリーも収納場所がちゃんと決まっていれば、スムーズにレッスンが進みますから、あなたも生徒さんにレシピの大切なポイントを教えることに集中できますよね。
ですから、この5Sをまずは徹底することを忘れないようにしましょう。
■知っておきたい食中毒の知識
食品の事故で一番怖いのが、食中毒です。
食中毒とは、飲食した食品が原因で起こる身体の不調のことですが、注意したいのは、食中毒を起こすと最悪、死に至ることもあることなのです。
日常のレッスンで注意が必要な主な食中毒は次のようなものがあります。
(細菌性食中毒)
・サルモネラ菌
・腸炎ビブリオ菌
・O157
・黄色ブドウ球菌
(ウイルス性食中毒)
・ノロウイルス ※特に、冬場に多い感染性食中毒
出典:厚生労働省のHPより↓
https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/kenkou_iryou/shokuhin/syokuchu/index.html
このように、あなたの身近には多くの食中毒のリスクがありますので、正しい知識を身につけて、しっかりと予防していくことが必要なことになります。
あわせて、生徒さん自身にもこのような教育をしていくことで、教室内だけではなく、ご自宅での発生を防ぐための知識を身につけていただくことも重要なことになります。
■食品事故を起こさないためには
では、どうしたら、こういった食中毒から身を守ることができるのでしょうか?
先の厚生労働省のHPでも紹介されていますが、食中毒から身を守る3原則があります。
それは、「食中毒菌を、つけない、増やさない、やっつける」です。
「つけない」とは、手洗いをすること!
レッスンに来られた生徒さんに最初にしてもらうことが、手洗いになります。
手洗いをすることで、外部から持ち込んだ雑菌を洗い流してしまいます。
また、肉や魚を触った後には必ず手洗いをしてから、野菜の盛り付けをする等、調理の合間にもしていただくことが大切なことになります。
そして、まな板もすぐに洗い流す習慣を身につけてもらいましょう。
「増やさない」とは、温度管理をすること!
温度管理の原則は、常温、冷蔵、冷凍の3温度帯を守ること。
食品は一度空気に触れると、必ず何らかの雑菌に汚染されます。
通常であれば、問題ないのですが、繁殖に適した温度帯(10℃~30℃)で長時間放置しておくと、その雑菌が繁殖してしまい、それを口にすると食中毒のリスクが増します。
尚、食品の再冷凍は絶対に避けてください。
理由は、付着した雑菌が解凍した際に、一気に増殖してしまうからなのです。
「やっつける」とは、加熱処理をすること!
ほとんどの菌やウイルスは加熱することで死滅しますので、加熱処理をしましょう。
同じように、調理器具に関しても、加熱処理することで付着した菌やウイルスを死滅させることができるのです。
また、殺菌消毒効果のある洗剤なども用途に応じて使用していきましょう。
◇◆◇◆◇◆
いかがでしたでしょうか?
では、大切なポイントをあらためてまとめておきましょう。
【まとめ】料理教室の衛生管理で注意すべき3つのこと
・衛生管理の基本は5Sから
・知っておきたい食中毒の知識
・食品事故を起こさないためには
さあ、今すぐに、あなたができることからはじめてみましょう。