
今日のテーマは、「料理教室の先生のためのペルソナシート活用術」です。
料理教室を運営していく上でとっても大切なことのひとつにマーケティング心理学があります。
これは、あなたの教室レッスンに通う生徒さんのことを深く知り、その志向を分析し、あなたの教室運営に役立たせるために必要なことなのです。
マーケティング心理学には、生徒さんをよく理解するために仮の人物像を作り、その人に向かっていろいろな情報を発信していく方法があります。
これを「ペルソナを設定する」と言います。
具体的なやり方ですが、架空の人物の氏名、年齢などにはじまり、居住地、勤務先、家族構成、ライフスタイル、消費行動など、かなり多くの設定項目を作りあげていくのです。
そうして作り上げた理想の生徒さん像をいつも頭の中で想定しながら、あなたの教室レッスンにまつわるメッセージを発信していくためです。
では、そのやり方を次より説明させていただきましょう。
マーケティング心理学のペルソナ設定 2つのポイント
さて、それではさっそく順を追ってペルソナを設定していきましょう。
まず重要なのは「正しい見込客」の定義をハッキリさせておくことです。
これから具体的なステップを説明するときに、「理想の生徒さんをイメージする」というパートが出てきますが、「とてもいい人だったから」という理由でペルソナを設定したものの、よくよく考えるとお金を払ったことがない人だった、、、というケースも少なくありません。
それって、的外れな人をペルソナにしていることになります。
なので、次の2つのポイントを抑えた人こそが「真の見込客である」と覚えておきましょう。
今すぐに解決したい問題を抱えている
あなたの教室で提供するレッスンに興味がある人も、見込客といえば見込客と言えるかもしれません。
ですが、より理想的なのは「今すぐにあなたのレッスンで問題を解決したい人」です。
興味がある程度では、競合相手とパンフレットや見積もりを見比べ、そして比べたまま何も行動を起こしてくれない、という場合が多々あります。
つまり、同じレストランを探しているとしても、「今日、夜の会食で使う場所を探さなきゃ」という人と「将来、デートに誘う相手ができたらどこに行こう?」と考えている人では、行動に大きな差が出るということです。
なので、まずは「今すぐに解決したい人」を見込客に設定しましょう。
その問題解決にお金を出しても良いと思っている
この意識も重要です。なぜなら、解決したい問題を抱えていても「お金を払うほどじゃない」と思っている人は、あなたにお金を払ってくれないからです。
身近な例を出すと、クックパッドのレシピです。
クックパッドを開けば、料理レシピ自体はたくさんの人が作っていますし、その中には無料のものもあれば、有料のサービスもあります。
これは私の感覚なのですが、クックパッドを利用している人はそのほとんどが無料レシピで満足しているのではないでしょうか。
そういった人たちは、有料サービスにはお金を出したくないと考えています。
同じように、あなたのレッスンも「お金を出しても通いたい!」という人もいれば、「これにはお金を使いたくない!」という人もいます。
問題意識を抱えている点は一緒ですが、結果に大きな違いが出てきますので注意するようにしましょう。
マーケティング心理学のペルソナ設定 具体的な3ステップ
さて、見込客の定義をハッキリとさせたところで、いよいよペルソナを作りあげていきましょう。
今回は、シンプルさを追求していきますので、この流れに沿っていけば、すぐにあなたも理想のペルソナを作りあげることができます。
理想の生徒さんを思い浮かべる
まずは、あなたがこれまでに教室運営をしてきて、「この方にレッスンを提供できて本当に良かった」と感じる生徒さんを1〜3人思い浮かべてみて下さい。
・レッスンに喜んでくれて、感謝のメッセージもいただいた
・ネチネチと値引きを要求することなく、定価で即購入いただいた
・レッスン前にご入金をいただいた
・お知り合いにあなたのことをどんどん紹介してくれた
など、理由はなんでも構いませんが、「またお付き合いしたいなぁ…」と思える生徒さんを選んで下さいね。
もし「そんな人はいない」というのであれば、「あの生徒さんが、もしもこんな感じだったら理想の生徒さんになるな〜」という感じでも構いません。
理想の生徒さんに実際にリサーチしてみる
これらを終えると、「理想の生徒さん」が頭に浮かんでいるはず。
そして、思い描けているならば、実際にお話を伺うこともできるはずです。
なので、その方に実際にインタビューをお願いして、悩みや願望をいろいろと聞き出してみて下さい。
理想としては、1対1の対面式ですが、なかなかそのような機会が設けられないのであれば、お茶会として2-3名の生徒さんを招き、雑談形式でヒアリングしてもよいでしょう。
また、体験レッスンを無料で開催して、そのレッスンの中でいろいろなお話を聞きだすのもいいかもしれませんね。
リサーチする際に重要なことは、その生徒さんの「気持ち」「感情」に注意を払うこと。
「抱えている悩みが解決されたら、どう感じるのか?」にフォーカスして、辛い、苦しい、嬉しい、楽しい、という人間の感情の動きをとらえるようにしましょう。
人の感情が動く瞬間は、欲求を満たしたいという強い意志が発生しますので、それをあなたのレッスンに生かす方法を考えてみるのです。
例えば、仕事が忙しくて、なかなか子どもと一緒に遊んであげられない…という悩みを待つママは、どうすれば子どもが喜んでくれるだろう?と気にしています。
そんなママに、子どもと一緒にお菓子を作る教室レッスンで、思い出作りをしませんか?とお誘いすれば、ぜひ参加したい!という強い動機を持ってもらえるはずです。
こういった人の感情、気持ちを動かすことを見つけることが、マーケティング心理学の基本でもあるのです。
ペルソナシートに埋め込む
リサーチが終われば、次の項目を埋めることができるはずです。
もしも、これらのポイントを埋めてもあなたの頭のなかで「ペルソナ像がボンヤリしている」のであれば、さらに詳しい情報(購買基準、年収、家族構成、学歴、外見的特徴)などをどんどん追加していけばいいと思います。
ペルソナシートに最低限入れておくべきなのは、次の項目です。
・名前
・年齢(年齢によって、メッセージ内容が変わるため)
・職業
・どんな問題を抱えているのか?
・その問題を解決するために、これまでやってきたことは?買った他社の商品・サービスは?
・その過程で固定されてしまった、間違った概念や考え方、思い込みは?
・どんな不満やイライラがあるのか?
・具体的にどんな理想の未来を手にしたいのか?
・商品購入の時に、何を基準に選ぶか?(価格?安心感?斬新感?など)
そして、ぜひ「顔写真」も入れてください。
こうすることで、パソコンの横にその写真を置きながらマーケティングメッセージを作ることができます。
「その人に向けてメッセージを作る」というのがとても大事なので、顔写真は必ず用意しましょう。
参考までにママ・ティーチャー養成講座で推奨しているペルソナシートをご紹介します。
ダウンロードはこちらをクリック
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いかがでしたでしょうか?
では、大切なポイントをあらためてまとめておきましょう。
【まとめ】料理教室の先生のためのペルソナシート活用術
■ マーケティング心理学のペルソナ設定 2つのポイント
・今すぐに解決したい問題を抱えている
・その問題解決にお金を出しても良いと思っている
■マーケティング心理学のペルソナ設定 具体的な3ステップ
・理想の生徒さんを思い浮かべる
・理想の生徒さんに実際にリサーチしてみる
・ペルソナシートに埋め込む
ぜひ、今すぐにこのステップを行動に移してみましょう。
実際に生徒さんと話をすることで、新たな発見もありますし、新しいレッスンメニューのインスピレーションもバンバン降りてくるのではないでしょうか。