
今回のテーマは、「マーケティング心理学から考える、料理教室の先生のためのクレーム対応とは?」です。
ビジネスをしているとクレームは付きものですよね?
どんな業種であれ、何もかも完璧ということはありませんから、必ずミスや失敗はあるものです。
問題はその時にどうするか?
人は誰しも、クレームの対応は嫌なものです。できれば、避けて通りたいところ…。
ですが、料理教室の先生にとっては、クレームが起きてしまった時こそがチャンスなのです。
クレームというピンチをチャンスに変える対応力
あるお弁当屋さんでのできごとを例にして考えてみましょう。
地域密着で長年顧客から愛されているお弁当屋さんに、残業の夜食用の買い出しに行った時のこと。
人数分のお弁当を買って、会社に戻ってきてから開けてみると、注文したものと実際のお弁当が一つだけ違っていたのです。
会社の経費で処理するためにしっかりとレシートをもらっていましたので、確認してみるとやはり違う種類のお弁当が入っていました。
飲食業や小売業の経験がある方は分かると思うのですが、いわゆる入れまちがいという初歩的なミスです。
すぐさま、レシートを見ながらお弁当屋さんに電話してみると、ご主人とおぼしき人が平謝りでこれからお弁当を届けてくれるとのこと。
さすがにそこまでではないので、次回より注意してください、というと何が何でも持っていくと…。
少しご主人の雰囲気に気おされて、取りかえにきてもらうことにしました。
実は、そのお弁当屋さんは、最近リニューアル工事をしたばかりで、新人アルバイトも増やしたので、「教育不足だった」というところではないでしょうか?
そんな話をしながら待っていると、ほどなくご主人とおぼしき男性が新しいお弁当を持って謝罪にきました。
「今回は大変、失礼をいたしました・・・」と深々とお辞儀をし、丁寧にお詫びをしてきました。
そして、交換用のお弁当の他にも、「お詫びの気持ちですのでこちらもお受け取り下さい」と、全員分の飲み物も差し出してきたのです。
さすがにここまで対応してもらうとこちらもグッときて、恐縮しきりです…
ですが、さらに驚いたのは、「こちらは先ほどの電話代としてお受け取り下さい」と、100円玉を差し出してきたのです。
これには、たいそうびっくりして、その場のみんなもシーンとなってしまいました。
それは、電話代の100円までは完全に想定外のことだったからに他なりません。
お客様の感情を動かすのがマーケティング心理学
このように人は自分の思っていた以上の行為を受けると感情が動きます。
誕生日などの嬉しいサプライズはもちろんですが、逆に、トラブルなどで感情が高ぶっている時は、相手がきちんとした謝罪の気持ちを行為として表すことで、嬉しい時以上に、感情が動かされることもあるほどです。
その結果、以前にもまして信頼が高まることがあるのです。
人の感情はプラスの感情よりもマイナスの感情が、よりエネルギーが大きいと言われます。
ですから、今回のようなお客様からのクレームは、その信頼や信用を手にする、絶好のチャンスでもあるのです。
怒りを露わにしている相手に冷静に対処するのは、精神的にはかなりな負担を強いることになります。
ですが、相手の心中を汲み取り、相手の思った以上の行動をして、謝罪の気持ちを表すことはあなたの「誠意」を伝える最高の機会です。
ビジネスにはトラブルがつきものです。トラブルの無いビジネスなどあり得ないことでしょう。
どうせ、起こってしまうものならば、逆に最良のビジネスチャンスと捉えることが、お客様の信頼、信用を手にする賢明な考え方だと思います。
今回のように、例え金額が僅か100円だったとしても、相手の感情を動かすことが信頼を手にすることにつながります。
マーケティング心理学の基本はお客様との信頼作りです。
と同時に、お客様との距離間を縮めることもマーケティング心理学の基本です。
料理教室の先生であるあなたの対応力ひとつで、生徒さんとの距離が縮まるか、それとも離れていってしまうのか、その分かれ道であることをしっかりと理解しておきましょう。
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いかがでしたでしょうか?
では、そのポイントをおさらいしておきましょう!
【まとめ】マーケティング心理学から考える、料理教室の先生のためのクレーム対応とは?
・クレームというピンチをチャンスに変える対応力
・お客様の感情を動かすのがマーケティング心理学
ぜひ、あなたも自分の教室経営につながるクレーム対応を考えてみましょう。